生命と性の教育第一分冊

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     日本では、戦後1948年に性病予防法が施行されている。その後、1975年にWHOは性行為を背景として感染が行われた以下の疾患を性感染症(STD)とするより広い概念の定義を行った。すなわち、「全ての病型の梅毒」、「全ての尿道炎」、「軟性下疳」、「鼠径リンパ肉芽腫症」、「鼠径肉芽腫症」、「性行為」に関係して感染が起こったと認められるその他の局所性または全身性の疾患についてである。現在ではSTDは国際的な用語として定着している。
     日本で性病予防法が施行された当初は、細菌を中心とした性病(VD)の時代であった。その後、ペニシリン等の抗菌剤の開発により、梅毒や淋病が著しく減少した。世界的には、1960年代後半から米国を中心に性的接触により感染する諸疾患が、従来のVDを含めて増え始め、性の自由化、ピルの普及、男性同性愛の増加などに伴って、多くの種類のSTDが見られるようになった。そして、この傾向が1981年のエイズ流行の出発点につながったのである。STDの病原微生物も、従来の梅毒や淋病などの細菌に代わって、様々な病原体に起因する疾患が登場し、現在ではクラジミアやHIV(エイズ)やHBV(B型肝...

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