保健医療サービスはヘルスケアの訳語であり、治療や看護などの医療サービスと、移送や家事援助などの社会サービスから構成される。疾病構造が感染症から慢性疾患、高齢者医療に変化してきている現代においては、保健医療サービスは従来の治療偏重のサービス提供から、在宅や生活を重視したサービス(在宅看護・介護や生活援助・支援など)への転換が求められている。
これまでの医師・看護師などの医療専門職に加えて、社会福祉士・精神保健福祉士などの社会福祉専門職(ソーシャルワーカー)が、保健医療サービスに参加する意義は、その専門知識を生かして、患者に退院後の生活を支える地域の関係機関を紹介することなどの、多職種が連携する保健医療福祉のケアシステムやネットワークを創り出し活用できるところにある。キュアからケアへの転換が求められている現代社会では、社会福祉専門職が保健・医療の分野に携わることは、良質で適切な保健医療サービスの実現に不可欠となってきている。
日本において医療ソーシャルワーカー(MSW:Medical Social Worker)とは、主に病院や診療所などに勤務するソーシャルワーカーのことを指す。では...