貿易論2

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    1. 自由貿易協定(FTA)とは
     自由貿易協定(FTA)とは、2つ以上の国・地域が相互に関税やその他の貿易障壁を撤廃することを目的とした国家間の約束である。税関手続き、衛生植物検疫、基準認証などに潜む非関税障壁の撤廃は、関税水準が低下した現在ではむしろ関税の撤廃よりも重要度が増してきている。いくら関税が下がっても、見えにくい障壁が残れば貿易に支障を来すことになる。各国は貿易を円滑にするために、FTAを利用してこれらの問題解決を図っている。
     「最恵国待遇」原則はWTO/GATT協定の2大原則の1つで、加盟国は貿易上ある加盟国とその他の加盟国に対して差別的かつ異なる扱いをしてはならないという原則である。最恵国待遇はGATT第1条に盛り込まれており、FTAや関税同盟はGATT第24条が規律している。第24条では、域外国への貿易上の障害を引き上げることなく、実質上すべての貿易について関税その他の制限的通商規則を引き下げることにより、自由貿易地域や関税同盟内において最恵国待遇原則から離れて自由化を進めることを認めている。つまり、WTOの各協定において、FTAは一定の要件を満たしたときのみ認め...

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