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1.目的
生物学的に興味のある現象について、その現象に関わる化学物質の構造や電子状態
などを量化学計算を用いて予測し、その現象の発生機構たその状態における分子
状態について考察する。
2.概要
近年、コンピューターの高速化および高性能化に伴い、量子化学計算は化学分野
のみならず、様々な化学分野でも利用されている。特に生物学で取り扱う化合物は
タンパク質をはじめ巨大分子が多く、コンピューターの進化は巨大分子についての
理論的考察とその性質や機能予測を可能にしてきた。特に創薬の分野では重要な
役割を担っている。一方、生物の遺伝情報を担う遺伝子にはアデニン・チミン・
グアニン・シトシンからなる塩基対より構成され、これらはタンパク質と比べると
小さい分子でありながら果たす役割は極めて重要であり、その性質はとても興味
深いものである。
よって本実験では、タンパク質た遺伝子、あるいは生物学的に興味ある現象について、
その現象に関わる化学物質の構造や電子状態などを量子化学計算により予測し、
現象の理解を深めると共に、分子モデリングが物性予測...