(1)目的
酸化物高温超伝導体の電気抵抗の温度依存性を測定し、超伝導状態に対する理解を深める。
(2)理論
一般に、金属の電気抵抗は温度を下げると小さくなり、半導体や絶縁体の電気抵抗は大きくなる。いくつかの金属は低温で超伝導体に転移し、この超伝導状態では、完全導電性つまり電気抵抗がゼロの状態と、完全反磁性つまり超伝導体内部の磁束密度を排除するマイナー効果と呼ばれる性質という二つの特徴を示す。
常伝導体から超伝導体に変わる温度は物質に固有であり、この温度を超伝導転移温度とよぶ。古くから知られている金属の超伝導転移温度は、極低温(マイナス270℃-数K-4.2K-)などが必要であった。
本実験では、電気抵抗の測定を行い、超伝導体の抵抗が低温においてゼロになることを検証する。また今回の実験ではY-Ba-Cu-O系の酸化高温超伝導体 を使用している。
(3)実験方法
液体窒素を魔法瓶に注入した。また魔法瓶に注入された液体窒素は、はじめかなりはげしく沸騰するが、ゆっくり指定された液面の位置まで注入する。
次に試料容器から4端子リード線を電気抵抗測定装置の背面パネルにある入出力コネクタ...