ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)
について考察せよ。
ヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチーは、1746年
スイスのチューリッヒで生まれた。牧師になり救済事業
にあたることを夢みていたが、大学時に、貧困救済のた
めには宗教ではなく法学を学ぶことが重要だと悟り、政
治学、歴史学に力をそそいだ。そして、祖国への愛国心
と政治改革に目覚め、「愛国者団」という政治結社を作
り、政治活動を行なった。その結果1767年に政治事
件にかかわり投獄され、出世の道を絶たれた。農業改革
による人々の救済を目指し農民となったが、これもまた
成功しなかった。
1774年、ペスタロッチーは貧民学校を設立し、教
育活動を開始した。友人の勧めにより教育実践を新聞紙
上で紹介、「隠者の夕暮れ」、「リーンハルトとゲルト
ルート」の二作品が世間で好評を得る。1797年に出
版された「人間の発達における自然の歩みについての私
の探求」はペスタロッチーの思想が初めて体系的に述べ
られた書となった。
【1】 教育観
①「有機的・発生的」
ペスタロッチーは、子どもには将来発展する素質が備
わっており、この素質が子ど...