治療処置、検査を受ける小児と家族
A 対象の理解
1.治療処置、検査を受ける小児
入院している小児には、その健康問題がどのようなものであれ、日常的にたくさんの治療処置、検査が行われることが多い。行われる治療処置、検査は多様であり、採血、注射、腰椎穿刺、骨髄穿刺、抜糸などのように痛みを伴うものや吸引、タッピングのように苦痛を伴うものが多い。なかには超音波エコーや脳波、心電図、X線撮影のように痛みや苦痛はないものの、経験が少なく認知能力が未熟な小児では、恐れや不安をもつことも少なくない。
また、治療処置や検査を受ける小児は、健康に問題をもち、体調が優れず、身体機能の低下や苦痛を伴っていることが多い。そのうえ病院という見知らぬ環境のなかで、見慣れない医療従事者に囲まれて治療処置、検査を受けるのであるから、戸惑ったり恐れたりして当然である。特に幼児では、不慣れな環境や危機的状況におかれた場合、感情や行動をコントロールする能力は十分ではない。看護師はこれらの小児特有の反応を理解し、それぞれの小児に合った看護を提供することによって、治療処置、検査による身体的・心理的苦痛を最小限にすると同時に、発達...