教師論
壱単位目・・・
教員養成の歴史について論述せよ。
明治5年の「学制」より現行の「教育職員免除法」に至るまでの教員養成の歴史を「制度」と「理念」の面から考察する。
1単位目-1
日本における学校教育制度は、明治5年8月の「学制」の発布に始まる。「学制」は明治政府が定めた学校制度や教員養成に関する基本的な規定である。
教員養成の歴史としては「学制」により、近代学校制度は創設された。明治5年に東京に師範学校が設立され、教員の養成機関も国の制度によって設置された。明治6年5月に制定された「小学校教師心得」では、教育をすることは模範を示すと同義であると扱われ、わが国の師範教育の理念を方向づけることになっている。明治7年までに8大学区に官立の師範学校が設立された。全府県に公立の師範学校が設立されるのは明治9年になる。この時の師範学校は給費制と就職義務の規定、徴兵免除などの特徴があり、教員育成は徐々に成果を上げていくことになる。明治14年の「小学校教員心得」では、明治12年に下された「教学聖旨」の指摘を受けて明治政府が取ってきた従来の欧化政策に反省を促し、教育政策においても転換が図られた結果...