なぜ小学校で音楽の授業が必要なのか
近年、学習指導要領の改定時期になると、音楽科の教科再編の話が浮かんでは消えているそうだ。授業時数も削減され、小学校音楽科の存在意義、危機感を強く叫ばれているように感じる今、このレポートテーマである、小学校音楽の授業の必要・重要性について考えていきたいと思う。
音楽科の教科の目標は、『表現及び鑑賞の活動を通して、音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てるとともに、音楽活動の基礎的な能力を培い、豊かな情操を養う。』(小学校学習指導要領解説 音楽編 文部科学省 平成20年)とある。これは、音楽に対する感性や心情、音楽の基礎的な知識理解などが、相互に関連し合いながら豊かな情操を養うことを示している。
音楽活動の一つに、誰かと一緒に表現することではじめて成立する音楽表現がある。その例が合唱と合奏である。友達と一緒に歌ったり演奏したりすることで合唱表現や合奏表現ができるようになるだけにとどまらず、その過程で生まれる連帯感や相互理解など、もたらす効果は大きいと言える。私が中学生時に、クラス対抗合唱コンクールで1位になり、県の合唱コンクールに出場したときも、毎...