児童期、青年期において社会的認知、対人関係の拡がり、自己意識などがどのように変化するか
①児童期
就学し、家族以外の新しい社会を経験する児童は、親や教師ではない同年代と仲間意識を共有していく。年齢が上がるにつれて親や教師と距離を置き、仲間と過ごすことに重点を置く。仲間とかかわっていく上で自分という役割を明確にしていき、自立的で安定した対人関係を築くとともに、社会の一員として生活していくための対人交渉技能や社会規範を身につけていく。
他人とのかかわりの中で、客観的に自分というものを意識するようになってくるのも児童期の特徴である。他人と比較をしながら自分の欲求や行動について判断するようになり、こうした比較によって人間としての特性の次元やその多様性に気づき、自己をその中に位置づけて理解する「ものさし」を得るようになる。また、他人の態度で自分がどう思われているかを知り、それが自分の描いていた自己像と違うことを経験し、自己を対象化してとらえるようになる。
こうして自己についての認識を深めていき、「自分はこういう人である」という自己概念をもつようになる。それは「○○のようになりたい」とい憧れや...