第2設題 アメリカにおいておし進められてきた「新自由主義」政策が「貧困大国」を生み出した事態について、災害、医療、教育、戦争という「人のいのち」にかかわる四つの領域のどれか一つの領域を選んで、その実態を詳しくつかみ、重要なことを整理してみよ。
『ルポ 貧困大陸アメリカ』は目前に迫った日本の未来の姿を表しているのだろうか。私は、一人の高校教師として、「教育」に関わる領域について、学んだことを整理し、自分なりの考えを述べたい。
一般に「○○」大国とは、経済や軍事のように、その国の特徴を表す。しかし、その○○が「貧困」であり、今日、唯一の超大国アメリカ合衆国について筆者が用いることにはじめは違和感を覚えた。しかし、読み進めるにしたがって、筆者の意図を理解できた。アメリカ国勢調査局が発表したデータによれば、2005年度の国内貧困率(四人家族で世帯年収2万ドル以下)は12.6%、うち18歳以下の貧困児童率は17.6%で、これは2000年からの5年間に11%上昇した。農務省のデータによれば、2005年に国内で飢餓状態を経験した人口は全人口の12%。また、アメリカ内国歳入局によると、2006年度の時...