2つの設題を合わせたファイルです。
1.「灰の水曜日」について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すること。
2.「四つの四重奏曲」について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すること。
第1設題
「灰の水曜日」について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すること。
「灰の水曜日に象徴される人生観」
エリオットは初期の作品である『荒地』で一世を風靡させることになり、中期には『うつろなる人々』、『妖精詩集』、『灰の水曜日』などを発表した。『妖精詩集』は『灰の水曜日』とほぼ同時期にかかれ、エリオットの改宗、英国帰化したことが影響している作品でもある。また、初期の段階で『荒地』が大成したため、詩の主題と方法を模索していた時期でもあった。『妖精詩集』は4篇から構成され、その一つ「アニムラ」の中で、「リアリティに直面させられたときにのみ初めて生きる死んだ魂たちのために祈りを捧げて欲しいと請願する」と述べている。この請願は『灰の水曜日』の中心テーマとり、聖女というはっきりした助けを見出して、神の国への階段を登っていく詩人の計画に連なっている。
さて、タイトルにある『灰の水曜日』というのは、そもそもキリスト教におけるレント(四旬節)の第1日にあたる。この日から復活際の前日の聖土曜日までの日曜日を除く40日間をレントとし、信者は食を断ち、過去の罪を悔い、現世を...