法の解釈とは、実定法の規範的意味内容を解明する作業のことである。この法解釈について論及する意義は、わが国など、成文法主義の下では、実定法は制定法を中心に体系的論理的に整序されており、制定法の序文の文字・文章や相互の体系的連関などを手がかりに、実定法の意味内容を個別具体的事例ないし、一定累計の事例に適切な解決に必要かつ十分な程度に、効果図式で具体的に確定することが、実定法に含まれている法規範の意味を明確にすることである。これを論及することで、法の意味することを理解することができるのである。以下法の解釈について、具体事例を挙げながら論じていく。
法は抽象的な物であり、社会規範としてその意味を明確にするためには、具体的事例に当てはめ運用していかなければならない。社会進展に沿って法律をその都度変化させても、複雑にして激変する社会の進展を予測できる出来事に対応することは不可能である。そのため、法律の条文は抽象的な規定にとどめ、後、個々の具体的事例が起きた際、各の解釈によって規範的意味を導きだす方が、はるかに現実的であるといえる。ここで、法解釈学では、法の解釈の方法論をめぐって大きく2つの立場...