1.はじめに
座位姿勢は食事動作やトイレ動作など、日常生活のあらゆる場面でみられる姿勢である。また、臨床の患者様にとって座位姿勢の獲得は種々の動作の自立につながり、さらに心肺・循環機能や精神心理面への刺激など、機能回復にも役立つ大変重要なものである。
このレポートでは座位姿勢の種類や姿勢保持に関与する要因を考察し、臨床における患者様の評価や治療に役立てたいと考える。
2.基本的な座位の種類
①半座位
ベッド上の座位で、semi recliningやrecumbentとも呼ばれる。この姿勢を行うためにはベッドの上半身を45°程度に上げる。他には枕(4~5個)や座椅子、三角形のボール箱を使用することでも姿勢保持は可能である。
半座位は臥位から座位をとる時、食事時、体位を変えての休息時に用いる。特に呼吸困難、甲状腺手術後、あるいは肺炎時などにも必要に応じて用いられる。
②長座位
股関節屈曲で下肢を前方に投げ出した座位である。多少の下肢の屈曲や交差も含まれる。
膝関節を伸展しているため,端座位に比べてハムストリングスの伸張性が低下し,骨盤が後傾しやすいため,重心が後方へ偏倚しやすい...