科目終了試験対策 発達心理学Ⅱ(S評価)
2011年 7月
青年期においての心理的危機と高齢期においての心理的危機について述べよ 。
青年期は、子どもから大人への移行期である。それは「第二の誕生(ルソー)」ともいわれる。我々は青年期に至るまで、親を中心とするさまざまな人々に同一化し、いろいろな特性や行動様式を獲得する。そして、青年期になると、こうしたこれまで意識せずに取り入れてきた自分の内面を意識するようになる。すると、今まで自分だと思っていた自分は、実は自分で作り上げたものではなく、親を中心にして取り入れてきたものであることに気づき、それまで依存してきた親から心理的に独立しようとする心理的離乳の現象が現れてくる。
エリクソンは心理社会的発達理論で青年期の課題を「自我同一性 対 同一性拡散」であるとした。青年期の危機は、自己探求(モラトリアム)のなかで,程度の差こそあれ多くの青年が一過性的に経験するもので、この危機に直面しながら青年は本当の自分を模索していく。そこでなされることは役割実験と社会的遊びである。役割実験では、理想と思える人物に同一化し、さまざまな可能性を演じ、...