日本の近代的な学校制度の始まりは、明治5年に公布された学制である。その後、明治12年、学制に代わって教育令が公布された。さらにそれを受けて、明治14年には、「小学校教員心得」、「学校教員品行検定規則」が定められ、教師の責務の重大さが説かれるとともに、教師には、道徳教育に力を注ぐこと、政治活動に参加しないことなどが求められた。小学校教員心得や学校教員品行検定規則の意図は、教師の政治活動を禁止し、教師を忠君愛国の体現者として枠付けることであった。
その後、師範学校がおかれ、この時代の教師には不可欠な資質として、「順良・信愛・威重」の三つが求められた。さらに、日本が戦時体制に突入したことを受けて...