中央大学通信教育課程 刑事政策 第3課題 (2013年度) B評価合格レポート
刑事政策 第3課題 少年法改正による少年司法制度の変化(2013年度)
1、少年法改正の背景
少年法とは保護主義を基調として少年の健全育成を図る法律である(少年法1条)。少年は精神的肉体的に発展途上にあり、環境に影響されやすいため非行に陥ることが多い。他方で可塑性に富み更生の可能性が高く、また、少年非行の原因は少年自身の問題だけでなく、少年の置かれている環境にも存在する場合が多いため、少年法は非行を行った少年に対して成人犯罪者とは異なった特別の保護を与え、国が親代わりとなって保護・教育を与えて改善更生を支援する体制を採っている。
しかし、少年法が改正された平成17年以前は、少年の検挙人員数が増加しており(『犯罪白書(平成18年度版)』4-1-1-9図)、少年による強盗や殺人等の重大犯罪も少なくない状況であった(同書4-1-1-10図)。特に神戸連続児童殺傷事件(1997年(平成8年))や、山形マット死事件(1993年(平成5年))は、14歳・13歳の少年による凶悪な殺人事件であり、改正前の少年法の対処では軽すぎるとして世論では少年法厳罰化が望まれた。そのような意見も少なか...
正:「少年法が改正された平成12年以前」
誤:「少年法が改正された平成17年以前」