【参考資料】
国際通貨・金融システムの歴史/石見徹
国際通貨制度の改革/田中五郎
第2次世界大戦の経済的な原因としては、世界大恐慌後、各国が閉鎖的なブロック経済を形成して自国グループが生き残ろうとしたために、貿易を縮小させたことが挙げられる。同一通貨圏(たとえばイギリスのポンド,アメリカのドルなど)でブロック経済圏を形成し、ブロック内の貿易に置いては関税を撤廃する一方、ブロック外との貿易には高率の関税を課して、外国からの商品流入を阻止した。また各国は、自国通貨の切り下げにより、輸出に有利な状況をつくろうとした。ブロック経済は、ブロック間の対立と世界経済の縮小をもたらし、それが戦争の一因となった。
戦後、1944年のブレトンウッズ体制によってIMF(国際通貨基金)が創設された。その特徴は「金1オンス=35ドル」と定めた金ドル本位制、ドルと各国通貨の交換は固定為替相場制であり、「為替の安定と自由化によって,自由貿易を拡大する」ことを目的とした。また、戦後復興と発展途上国の開発を目的としたIBRD(国際復興開発銀行)も設立された。1947年には、「自由・多角・無差別の原則で,貿易を拡大する」ことをめざすGATT(貿易と関税に関する一般協定)が結ばれた。関税引き下げ、非...