法哲学・科目試験で持込可の場合、本稿をご利用して頂ければAが取れます。
一 序論
ハンス・ケルゼンは純粋法学たる法理論を構築した。ケルゼンの法理論は如何に考えられるか。純粋法学の理論的背景である方法二元論と価値相対主義について、またこれらの考え方と密接に関係する自然法論・イデオロギー批判、民主主義擁護、及び法段階説について論じる。
二 本論
まず、純粋法学は、存在と当為とを峻別する方法二元論を採用する。即ち、事実を認識するには、時間・空間の内で生起する自然的事実を「因果関係」という枠組みに当てはめて考える方法と、同じ自然的事実を「当為」という枠組みに当てはめて意味づける方法があると考える。
次に、純粋法学は価値相対主義を採り、価値判断に相対性を認める...