死者の占有

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    資料紹介

    2011年度課題レポート・刑法2(各論)のものです。

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    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    題:死者の占有

    一 問題の所在

     甲男はA子の首を絞めて殺害したため、まず生命・身体に対する罪、特に殺人罪(199条)の適用が考えられる。また、既に死亡しているA子から高級腕時計を取り外して持ち去っているので、次に財産に対する罪、特に窃盗罪(235条)の適用があるかが問題となる。

     また、乙男はA子の死後、自身が送信したメールの発覚を恐れてA子の携帯電話を持ち去り自宅に収めているが、如何なる罪が適用されるか問題となる。

     そこで以下に、まず甲男の殺人罪の適用につき考察し、次に甲男・乙男の財産の罪につき考察する。

    二 甲男の殺人罪適用の成否

     甲男に殺人罪は適用されるか。

     殺人罪の客体は行為者を除く自然人であり、その行為は「殺」すことであるところ、甲男は、自身との交際を拒否したA子を背後から首を絞めて殺している。これは殺人罪の実行行為であり、A子死亡の結果が生じており、また因果関係も認められる。

     更に「いっそ殺してしまおう」との殺人の意思が認められる。また、違法性阻却事由は認められず、責任要素も備わる。

     よって、甲男にはA子に対する殺人罪(199条)が成立する。
    ...

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