課題
通信教育教材『歴史学(第4部~第8部)』から時代及び地域が共通する2~3名の人物を選び、彼等の生きたところの時代概観及び地域のあり方を論述しなさい。
『第四部 日本人民衆の上海体験』を選択
「岸田吟香・荒尾精」を選択
歴史学分冊2
参考文献
浮世はままよ 小林弘忠 東洋経済新報社 2000年9月
巨人荒尾精 井上雅二 大空社 1997年2月
『第四部 日本人民衆の上海体験』を選択
「岸田吟香・荒尾精 近代史」
オールド上海は、その住民の圧倒的多数を占める中国人と日本人を含む多くの国々の外国人居留民が対抗しつつ共存する「国際都市」であった。上海は南京条約で開港した後、1845年にイギリス租界が設置されて以後、租界をセンターとする貿易・商業都市として出発し、中国における第一の近代都市として発展した。一方、日本は、天保年間、全国的な凶作により天保の大飢饉が起き、米価・物価高騰で百姓一揆や打ちこわしが頻発していた。天保騒動や大塩平八郎の乱も起きている。また、モリソン号事件や阿片戦争など国内以外でも日本を揺るがす事件が多く発生していた。1853年にはペリー率いる黒船が浦賀沖に来航し、激動の幕末期を迎える。そんな幕末期から、明治という近代日本を生きたのが岸田吟香、荒尾精である。
岸田吟香は天保4(1833)年岡山県に生まれ、幼少の頃から、勉強好きで知られ、江戸時代以降、幕府により全国的に広がった儒教や漢学を中心...