B評価
「生活科のこれまでのあゆみをまとめるとともに実際の授業における教育的成果と課題を明らかにし、生活科のこれからの展望について具体的なことがらを示して述べよ。」
1章:生活科のこれまでのあゆみ
生活科は、低学年の教育のあり方を見直して生まれた教科である。平成元年の学習指導要領の改訂で、小学校の低学年に新設された教科である。新設に伴い、従前の低学年の社会科と理科は廃止されたのであるが、教科の改廃はまれであり、このように教科構成を変えるというとは、学校教育のあり方と深くかかわっている。それだけに平時にあっての教科の改廃は容易なことではない。
生活科が学習指導要領に位置づけられた平成元年では、小学校一、二学年に配置された。その学習指導要領が日本全国、津々浦々で実施されたのが平成四年。生活科は、他の教科と最も相違する点は体験を伴う学習であるということである。実際に目で見る、だけではなく、耳で聞く、手で触れる、舌で味わうなど、身体の諸感覚を駆使することを通して学ぶ。身体全体で身の回りの環境をとらえ、その環境に働きかけ、また、働き返されながら学んできたからこそ、身体に刻まれる。豊かな感性と、一人一人の...