評価A
S0101 教育原理 第一設題
『ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ』
ヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチー(1746~1827)は、18~19世紀にわたり活躍したスイスの教育思想家、及び実践家である。彼は一般に「民衆教育の父」と称えられている。その理由としては教育を通じて子供たちに「自活する能力」を身につけさせ、結果的に子ども達の人格形成を含めた組織的な教育活動を展開したからである。彼の教育活動の究極的な目標は、民衆が陥っている貧困の源泉をせき止めることであった。またそのために彼は1774年設立の貧民院(貧民学校)を皮切りに、それまで富裕層や上流階級のものであった教育を、貧民や一般民衆の子ども達に対して初めて実践した人物である。本レポートでは、ペスタロッチーの教育学について考察する。
ペスタロッチーの生まれる前の17世紀頃の西洋社会では、子どもは「文字を欠いている白紙」同様、生まれながらには未だ動物的であるにすぎず、一切の観念・原理を有しないため、この動物的行動を根絶して正しい道へ導くことが教育である、という考えが主流であった。この説はタブラ・ラサ説を主張したジ...