「臨床心理学における人間理解の必要性および面接場面における留意点について述べよ。」
日本は戦後より劇的な高度経済成長を遂げ、人々に豊かで自由な生活や個性的な生き方を出来るようにしてきた。しかし、それに伴い人は様々な要因からストレスを抱え、心が病みやすい傾向にある。中でも、近年増加傾向にある神経症の症状は、眠れない、食欲がない等比較的軽症のものから、鍵をかけたか心配になり何度も確かめるために出かけられないというような脅迫行動を示したり、自分は価値のない人間だと抑うつ状態を呈したりする重症なものまで多岐にわたっている。日本人の心が病む背景には、まず日本の発展過程により形成された中流意識からの心理機制(日本人の国民性:高い向上心、勤勉)が関係している。また、核家族化による相談相手の減少や都市化により人同士の触れ合いが希
薄化していることもストレスと関係がある。さらに、学歴社会により激化する受験戦争は、児童生徒に心理的負荷を及ぼし、アパシィ、モラトリアムを生み出している。このような日本のストレス社会は、人々の心を気づかないうちに「病」の方向へと導いている。
ストレスの原因は社会変化や人間関...