パルス回路

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    資料紹介

    資料の原本内容

    パルス回路

    【実験概要】

    ○目的

    1、オシロスコープの使用方法

    2、CR回路

    3、パルス回路
    ○背景

    オシロスコープを使った電圧の測定原理を学ぶ。
    ○内容

    1、オシロスコープの操作方法とグラフの読み方を学ぶ。

    2、CR回路の微分回路と積分回路の波形を確認。

    3、無安定マルチバイブレータ(パルス回路)の波形を確認。
    ○結論

    1、オシロスコープの取り扱いを学ぶ。電気信号の波形を観察、その振動数、電圧、位相などの測定。

    2、CR回路の微分・積分回路の入力電圧と出力電圧を測定、記録し時定数を求めた。

    3、パルス回路の入力電圧と出力電圧を測定、記録し、測定値と計算値の差を求めた。
    【原理】

    オシロスコープは物理量の時間的変化を測定する装置である。内部にある電子銃から電子ビームを発し、それを偏向させて蛍光のぬってあるガラス外管に映し出す。CR回路とは、コンデンサー(Condenser)と 抵抗(Resistance)を直列につないだ回路のことである。微分回路とは、入力波の微分形が出力になる回路のことである。積分回路とは、入力波の積分形が出力になる回路のことである。パルス回路とは、パルスの発生と変換を行う電子回路およびこれらを利用した応用回路の総称である。無安定マルチバイブレータは、出力パルスの二つのレベルに対応する二つの状態が準安定(quasi-stationary)であり、なんら入力パルスがなくても自励発振を行うので、クロックパルスやタイミングパルスの発生や分周に用いられる。

    【実験内容】

    1、CR回路

    1-1.使用器具

    ・ディジタルストレージオシロスコープ(LEADER 3040A)

    ・パルス回路実習装置(ITF-03)

    ・LEADER LAG-12013 ADV10 GENERATOR
    1-2.微分回路(図1)
    図1微分回路
    2つのCとRの組み合わせで入力電圧と出力電圧をオシロスコープで測定し、それを方眼紙に記録する。時定数=C×R

    C1=0.01μF R1=10kΩ(図2)

    計算値の時定数は100μs

    入力、出力=1.7Hz V :Ch1=500mV H=250μs

    測定値の時定数は85μs
    C2=1000pF R2=2kΩ(図3)

    計算値の時定数は2μs

    V :Ch1=500mV Ch2=200mV H=2.5μs

    測定値の時定数は2μs
    図2実験①
    図3実験②
    1-3.積分回路(図4)

    微分回路と同様のCとRの組み合わせで入力電圧と出力電圧をオシロスコープで測定し、それを方眼紙に記録する。
    図4積分回路
    C1=0.01μF R1=10kΩ(図5)

    計算値の時定数は100μs

    V :Ch1=500mV Ch2=500mV H=250μs

    測定値の時定数は100μs
    C2=1000pF R2=2kΩ(図6)

    計算値の時定数は2μs

    V :Ch1=500mV Ch2=500mV H=2.5μs

    測定値の時定数は2μs
    図5実験①
    図6実験②
    2、無安定マルチバイブレータ(図7)

    2-1.使用器具

    ・ディジタルストレージオシロスコープ(LEADER 3040A)

    ・パルス回路実習装置(岩通電子株式会社 ITF-03)

    ・発振器(LEADER)
    図7無安定マルチバイブレータ
    2-2.実験1

    図の実験回路の回路定数を以下のように定めVcek,Vbek(k=1,2)の4つの波形を観察し、その時間関係がわかるように記録する。(図8)
    図8実験1
    2-3.実験2

    結合コンデンサC1,C2の値をそれぞれ0.01μF、0.047μF、0.1μFとした場合の周期T1、

    T2をTR1のコレクタ電圧波形Vce1より測定せよ。ただし、C1、C2以外の回路定数は実験1と同じとする。(図9)

    表1 実験2
    測定値

    計算値

    測定値/計算値

    RL1=RL2

    (kΩ)

    R1=R2

    (kΩ)

    C1

    (μF)

    C2

    (μF)

    T1

    (s)

    T2

    (s)

    T1’

    (s)

    T2’

    (s)

    T1/T1’

    T2/T2’

    1

    15

    0.01

    0.01

    90.00

    85.00

    103.95

    103.95

    0.87

    0.82
    0.047

    100.0

    480.0

    103.95

    488.57

    0.96

    0.98
    0.1

    100.0

    720.0

    103.95

    1039.5

    0.96

    0.69
    0.047

    0.01

    500.0

    100.0

    488.5

    103.95

    1.024

    0.96
    0.047

    600.0

    550.0

    488.5

    488.57

    1.23

    1.13
    0.1

    600.0

    1050

    488.5

    1039.5

    1.23

    1.01
    図9 実験2
    図9 実験2
    【考察】

    検討事項

    CR回路・時定数の比較

    ・微分回路

    C1=0.01μF R1=10kΩ

    計算値の時定数は100μs

    入力、出力=1.7Hz V :Ch1=500mV H=250μs

    測定値の時定数は85μs

    C2=1000pF R2=2kΩ

    計算値の時定数は2μs

    V :Ch1=500mV Ch2=200mV H=2.5μs

    測定値の時定数は2μs

    ・積分回路

    C1=0.01μF R1=10kΩ

    計算値の時定数は100μs

    V :Ch1=500mV Ch2=500mV H=250μs

    測定値の時定数は100μs

    C2=1000pF R2=2kΩ

    計算値の時定数は2μs

    V :Ch1=500mV Ch2=500mV H=2.5μs

    測定値の時定数は2μs
    マルチバイブレータ実験1

    対称波になる。

    マルチバイブレータ実験2

    C1が0.047の時T1/T1’が、C1が0.047でC2が0.01以外の時T2/T2’が1より大きくなる。

    T1=0.693C1R1

    T2=0.693C2R2

    図7の回路におけるトランジスタTR1とTR2のベースおよびコレクタの電圧波形を図9に示す。図7において電源スイッチを入れ、t=0でTR1が遮断、TR2が導通になったとすると、図9の動作波形に示すように、t=0でTR1のベース電位Vbe1は深い負電位となり、TR2のベース電位Vbe2は飽和ベース電位Vbe(s)とほぼ等しくなる。

    無安定マルチバイブレータでは、二つの準安定状態が交互に繰り返される発振状態となる。発振周期を変えるには、Rbk,Cbk(K=1,2)のどちらかの値を変えればよいが、Rbkを変えるとベース電流に影響が現れ、トランジスタを飽和させるのに必要な最小ベース電流が確保できなかったり、逆に過飽和になったりしてあまり好ましくない。
    【まとめ】

    オシロスコープを使った電圧の測定原理を学んだ。
    【参考文献】

    配布資料、情報基礎実験教科書
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