佛教大学通信学部のレポートになります。
東洋の歴史について第2設題「(a)太平天国が成立した背景、およびそれが目指した社会について述べよ。」を選択し論じていく事とする。
太平天国の成立にはアヘン戦争での敗戦と、その賠償金支払いの為に課せられた重税が大きな要因となっている。敗戦した清はイギリスと不平等条約を結ぶ事になり他の列強諸国の干渉も受ける結果となった。アヘンの輸入増加に伴う銀の大量輸出の結果、物価高騰も進み先に述べたように増税となり民衆を襲った。このような状況においても清朝は専制的な政治を続け策を講じる事をしなかった。その為、戦後多くの匪賊が横行し、これらを太平天国が吸収した事も膨張の要因となったのである。南京条約によって交易が広東一向に限定されなくなり国内物流ルートが激変し輸送にかかわっていた人々の多くが失業し匪賊化、合わせて白蓮教徒の乱以後、たびたび組織された郷勇と呼ばれる臨時募集兵がアヘン戦争後に解散し匪賊化したのも太平天国が吸収した。農民を主とする民衆は窮状打開の道として闘争形態をもって反抗に立ち上がった。
太平天国とは広東省の客家の出身である洪秀全が拝上帝会を創設した事が始まりである。洪秀全は科挙の受験勉...