イエロー・ジャーナリズムの意義
イエロー・ジャーナリズムとは、19世紀末のアメリカで生まれた言葉だ。センセーショナルな紙面で読者を集める新聞どうしの競争が熱を帯び、それにともなって、事実をねじ曲げた報道がなされるようになってしまった。
捏造報道は論外としても、イエロー・ジャーナリズムが役に立つ、必要とされる場面というものはあるのではないかと考える。高尚なことを論じるだけの報道というのは、ある意味では理想的かもしれない。だが、好奇心を刺激する内容で読者に興味を持たせ、それによって「問題を自分に関係することとして考える」機会を与えるのには、イエロー・ジャーナリズム的報道がなされる意義はあると思う。
「イエロー・ジャーナリズム」とは、扇情的な記事や派手な見出しを使い、低俗な興味を誘う報道姿勢をいう。それは、新聞の発行部数を伸ばしたり人気を獲得したりするために、「事実を正確に報道する」ことよりも、大衆の注目を集める「扇情的ニュース」をいかに報道できるかに力を入れるジャーナリズムである。
イエロー・ジャーナリズムという言葉が生まれた発端は、1890年代のアメリカにある。ジョーゼフ・ピュリッツァ...