国文学概論 分冊1

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    国文学概論 分冊1
    物語文学の流れを概観する中から、その美意識の変遷を踏まえて、「文学」の果たす役割について考察しなさい。
    〈ポイント〉『源氏物語』を頂点とし、前期物語・後期物語との比較から考える。歴史と文学・政治と文学とか、文学の感動とかが柱になるであろう。
    〈キーワード〉①文学とは何か ②和歌と物語 ③「あはれ」と「心ふかし」 ④話型 ⑤人の生き様
    物語文学の登場する以前の文学として、説話と和歌が挙げられる。会話が伝奇性(叙事性)をもって説話文学を形成し、和歌は叙情性をもっていく。その後、物語文学の租とされる『竹取物語』が登場し、そして物語文学の頂点である『源氏物語』が作られるのである。こうした物語文学の流れを概観するにあたり、文学とは何かという疑問がわく。この疑問を踏まえながら、生きる上で文学はどのように有効なのかを考察していく。
    『竹取物語』を「物語の出で来はじめの祖」といったのは『源氏物語(総合巻)』である。この事から竹取物語が、物語文学の始まりと言っても過言ではない。『竹取物語』が登場し、後にその影響を受けた『宇津保物語』、『落窪物語』が成立し、物語文学の頂点として『源氏物...

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