学童期において、児童の身体的発達はめざましく、高学年においては女子、男子ともに二次的性徴が現れ、おとなへと一歩近づいていく。これと同時に、認知的にも変化が現れ、小学校低学年、中学年では見る、さわる、動かすといった具体的な活動を通してものの変化を把握し、考えることが多い時期であるが、高学年になると、頭の中だけで抽象的な概念を駆使し、論理的な思考をすることが可能となる。これらのことを踏まえ、学童期における対人関係の変化を考えていくにあたって、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の認知的発達から考えていく。
まず前操作期では、象徴的活動が成長する時期である。ことばとういう道具を用いて思考することができるようになり、ごっこ遊びなど象徴的な遊びに着手するようになる。また、保存概念を有しておらず、相対的な論理を理解できないことから、他者も自分と同じように考えるとする自己中心性が見られる。
次に具体的操作期では、7歳から11歳までの時期であり、そこでは具体的な事物の考えを得て、複数の次元の葛藤を解決することができるようになる時期である。この時期には保存概念を徐々に理解することができ、具体的操作...