高齢者に多い疾患は、循環器系の病気(脳卒中と心筋梗塞)、代謝性疾患(糖尿病、痛風など)、がん、骨粗鬆症、うつ病などである。
脳梗塞や脳出血により、脳の組織が障害をうける疾患を総称して、脳血管障害といい、それによっておきる疾患を総称して脳卒中と呼ぶ。脳血管障害は、がん、心臓病についで日本人の死亡原因の第3位であり、寝たきりの人の約40%が脳血管障害によるものである。脳血管性認知症も脳血管障害によって起きる。
認知症は、一度獲得された知能が何らかの原因によって障害を受け、持続的に低下した状態をさす。老年期の認知症は、年齢を重ねる内に起こる自然な老化現象の一つで、脳の神経細胞が減少して起こる。また神経細胞の減少に伴い、記憶障害や判断力の低下などが非常にゆっくりと進み、怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動がみられる場合もある。認知症は、アルツハイマー型と脳血管性認知症に大別され、アルツハイマー型は、脳の神経細胞が急激に減少し、脳が病的に萎縮してしまうことや本人は病気だという自覚がないのが特徴である。脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血などに起因し、精神機能の低下が均等ではない(ま...