一票の格差問題を例に挙げ、違憲判決の効力について述べる。
違憲判決とは、憲法第81条違憲審査権「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」に沿って行われた裁判において、法令や行政措置が憲法に違反しているという裁判所による判決である。
一票の格差問題とは、憲法第44条で「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。」と、選挙権の平等を担保しているにも関わらず、選挙において有権者が投じる票を有する価値の差、一票の重みの不平等さがあるとして問題とされているものである。
2013年12月、一票の格差が最大4.77倍だった2013年7月の参議院総選挙を東京最高裁判所は「違憲有効」と判断し、選挙無効の訴えを棄却した。また、この裁判以前には、広島最高裁判所岡山支部が「違憲無効」判決を出している。
違憲判決の効力は、個別的効力説と一般的効力説に分けられて考えられている。個別的効力説とは、その事案に限って効力を有し、当該規...