今回私は、「コミュニケーションとしてのプリクラ」を題材に取り上げる。プリント倶楽部(以下、プリクラ)は、自分の顔や姿をカメラで撮影して、シールとして印刷された写真を作成する機械の総称である。ペンタブレットを搭載し自由に落書きをしたり、フレーム、スタンプなどの模様を入れたりなど遊びの要素を加えられ、女子中高生や若い女性を中心に1997年頃に大きなブームとなった。一大ブームを巻き起こし、徐々に下火になっていくと思われたプリクラが10年以上もの間、未だに流行り続け、若者の遊びの一つとして定着した理由をコミュニケーションという観点から考察していく。
そもそもコミュニケーションとは何なのだろうか。「複数の人間や動物などが感情、意思、情報などを、受け取りあうこと、あるいは伝えあうこと。 コミュニケーションの定義は多種多様であるが、広義には、記号などの何らかの因子の移動を伴う、ある分けられる事象間の相互作用の過程を意味している。」「人間は記号によってうごく。そして人間同士は、記号を用いて互いに共感しあうことができる。共感の過程をコミュニケーションと呼ぶ。共感がつみかさねられてゆけばゆくほど、人間関係...