政治学(科目コード0023)分冊2
〈課題〉
現代国家と行政権について論じなさい。
〈ポイント〉
19世紀から20世紀にかけての行政機能の増大に起因する国家観の変遷を理解し、行政権を有する大統領や内閣が国家において如何なる役割を有するようになったかを考える。
〈キーワード〉
立法国家、行政国家、市民社会、大衆国家、行政権
丸写しはせず、あくまでも参考レポートとしてご利用下さい。
Ⅰ.国家の基本的概念
国家とは、一定の地域を基礎として、固有の支配権の下に、法的に組織された人間の有機的人格共同体である。一般に,一定の領土と国民と排他的な統治組織とをもつ政治共同体をいい,また一定の地域 (領土) を基礎に固有の統治権によって統治される継続的な公組織的共同社会ともいうことができる。広義の固有の国家とは,統治の主体としての統治機構である政府と,統治客体としての人民をともに含んでいるが,狭義では政府だけをさして国家と呼ぶこともあり,語源的に国家とは,この狭義の概念に由来している。
Ⅱ.国家観とその変遷
国家には、大別して、国家法人説と国家有機体説の二つの説がある。国家法人説とは、国家は法的に考えると一つの法人であり、したがって意思を有し、権利(具体的には統治権)の主体であるとする説であり、イェリネックらによって説かれ、日本でも天皇機関説の基礎となった。国家有機体説とは、国家をひとつの生物であるかのようにみなし、その成員である個人は全体の機能を分担するものであるとするものであり、ヘーゲルなどによって提唱された説である。
それでは、19世紀から20世紀にかけて、...