参考文献:『【改訂】教育心理学の最先端』荒木紀幸編著,株式会社あいり,2011年
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1.ピアジェの発達論にもとづいて、子ども
の思考の発達について述べなさい。
ピアジェは、子どもとの様々な臨床的な関
わりによって、詳細な観察と独創的な数多く
の実験を行い、子どもの思考(認知機能)の
発達論を提唱した。ピアジェの発達論による
と、ヒトが世界を認識する際に使用する認知
の枠組みをシェマと呼び、思考(認知機能)
は、子どもと環境の相互作用(同化と調整)、
すなわち、その子どものそれまでのシェマで
は対処できない不均衡の状態に陥ったとき、
シェマをより高度に洗練し、対処可能な均衡
の状態へと移ってゆくことで発達してゆくと
考えた。さらに、ピアジェは発達論において、
シェマや操作が大きく質的に変化する年齢に
着目して、子どもの思考過程(認知機能)の
発達段階を次の4段階にわけて考えた。
まず、第1段階である感覚―運動期だが、
これは0歳から2歳くらいまでの年齢を指す。
この段階では、頭の中の記号である心的表象
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を介さず、自分のまわりの世界を知る手段は、
主に触覚や自分の体を...