平成29、30年度 日大 憲法の分冊2の合格レポートです。
憲法 分冊2
議院内閣制について論ぜよ。
議院内閣制であることを示す憲法規定を具体的に挙げて説明すること。
【参考文献】
『日本国憲法』 名雪健二
『憲法学教室』 浦部法穂
近代立憲国家は、その基礎的な統治原理として権力分立制を採用している。この権力分立制に基づく政治制度の一類型が、議院内閣制である。議院内閣制は、イギリスにおいて歴史的に形成され発展したものであるが、その影響を受けた諸国は、おおむね憲法の明文として採用している。しかしながら、権力分立の要請を背景にして形成された政治制度としては、議院内閣制の他に、アメリカ型大統領制、ドイツ型立憲君主制、スイス型議会制または議院政治制がある。
議院内閣制は、一般的には、立法部と行政部が一応分立しつつ、行政部がその存立の基礎を立法部、とりわけ下院に求め、下院に対して責任を負うとする制度である。明治憲法は、19世紀のドイツ諸邦の憲法と同様、議院内閣制を予定していなかった。そこにおいて、議会は、天皇の立法権を協賛するにすぎず、行政権も天皇に帰属し、その行使については各国務大臣が輔弼し、責任を負った。大臣は天皇によって任命され、議会に対し...