読書感想文 バルザック『ゴリオ爺さん』

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    ① 作者について
    オノレ・ド・バルザック(1799-1850)
    「フランス中部地方のトゥール」という小さな町に生まれる。「父親は52歳、この街の高級役人をつとめていたが、フランス南部の農民の出、母親は・・20歳、・・代々のパリの商人の家にそだった。」15歳のとき両親とパリに出てきたバルザックは、父親の勧めにより大学で法律の勉強をし、20歳で卒業。その後両親の反対を押し切り、作家になる決意を表明。パリの場末の屋根裏部屋にこもり、文学修業の道に入る。(バルザック集・481頁)一方で経済的独立を図るため、出版業や印刷業など事業経営にあたるが失敗。12万5千フランという莫大な負債を抱えることとなった。そのうえもともと贅沢好きな性分で、作家として有名になると、上流社会に色目を使い派手に振舞うので、借金はその後も増えるばかりだった。「負債の額がかさんでいるときほどよい作品を書いた」といわれ、負債はバルザックにとって執筆に向かわせるためのエネルギー源となっていた。(藤井・285頁)「1829年にはじめての本」をだし、1850年に疲労と病で生涯をおえるまでに、「90篇の小説をだし、二千人の登場人物を創...

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