(2018)慶應通信総合科目「法学(憲法を含む)」で合格をいただいたレポートです。裁判の基準となる「法」、社会規範と法規範の比較がテーマです。
※レポート作成の参考としてご利用ください。合格を約束するものではありませんので、丸写しはご遠慮願います。
'18法学(憲法を含む)
1.裁判の基準となる「法」について述べなさい
裁判は「法」を適用して事件や紛争を解決し、それによって正義の実現されることを目的とする。裁判で法を明らかにすることで、予測可能性が保障され、かつ、社会の法的安定性が維持されることになる。そのためには、法が正当に適用されなくてはならない。そしてさらに当該の事件や紛争に対して、具体的な妥当性を保持しなければならない。その場しのぎの法判断や、該当する法を無視して解決するようなことがあってはならない。では、その価値判断の基準をどのようにして創造するのだろうか。そのためには、根拠を正しく認識する必要がある。その裁判のよりどころとなる法形式のことを「法源」という。
法源は、成文法と不文法に大分される。成文法は明確、安定的、論理的、体系的であるという長所をもつが、時代の変化に即応できないという欠点がある。日本法は西ヨーロッパ大陸で発展・採用された大陸法の影響を強く受けており、成文法主義を採用する。成文すなわち明文化され、所定に基づく手続きを経て公布された法である。そこに属する法の秩序として、憲法−法律−命令または条例−規則の...