本稿では、児童を理解するにあたり、小学生の心理的な発達がどのように起こるのかを述べ、また、こころのサインについても説明したい。はじめに、児童の心理的発達について叙述する。児童期に入ると、子どもは学校へ通うことになる。家庭での生活に加えて、学校では教師やクラスメイトとの関わり、近隣の人との交流も増え、子どもは成長していく。心理的な発達がどのようにして起こるかは、勤勉性の獲得と学校生活の2つが主に関係している。
まずは勤勉性の獲得である。学校という新たな場において、学習することが子どもの主な活動となる。小学生になり、子どもは勉強や運動、学級活動、習い事、家庭での手伝いなど様々なことを学ぶ。これらは、将来必要とされる知識や技能を身に付けるために学ぶ。
これらの活動に勤勉に取り組み、やり遂げることで子どもは、自分の能力に対する自信や達成する喜びを得ることができる。つまり、勤勉性に獲得とは「努力すれば自分なりにできる」というような「自己効力感」「自信」「有能感」を身に付けることである。逆に、他人から否定されたり、目標を達成できなかったりすると、子どもは「自分はダメなんだ」と劣等感を持ってしま...