コイルガン
コイルガン(英:
Coilgun)は電磁石のコイルを使って弾丸となる物体を加速・発射する装置である。
コイルガンは電磁石の力で弾丸または投射物を撃ち出すための装置の一種である。同じく電磁気力
で弾丸を発射する装置であるレールガンと比較すると、基本的な電気回路の構成が異なる点、投射
物に電流が流れない点など、構造上において大きな違いがある。具体的にはコイルガンが名のとお
りコイル状の電気回路を構成するのに対して、レールガンは並行する2本の導体とその間に挟まれ
た投射物により構成される。
レールガンは弾丸を発射するために大量の電流を入力する必要がある一方、コイルガンは必要最小
限の動作において多くの電流を必要としない。単純なものでは、銀玉鉄砲のばねおよびストライカ
ー(弾丸を突き飛ばす棒)を電磁石(ソレノイド式アクチュエータ)に置き換え、ソレノイド内の
心棒が通電時に突き出される力で弾体をはじき出す仕組みのものが想定される。構造にもよるが、
入力されるエネルギーは比較的小さく、また動作において火薬の爆音にみられる急激な膨張や相変
化は必要でないなどの特徴から、動作音は小さいものとすることが可能である。
なおレールガンは、単純化された理論上は投射物の初速を光速に達せられるが、コイルガンでそれ
に近い初速を得ることは困難である。理由は抵抗の大きい、コイル状の電気回路に電流を流す必要
性があるためである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』