給食
給食(きゅうしょく)とは、特定多数人に対して専門の施設(給食センター)を用いて組織的・継
続的に食事を提供するもの。また、喫食者側からは「給食」とはその継続的に提供される食事のこ
とを指すことになる。
一般には、学校等(小学校、中学校、幼稚園など)、福祉施設(保育所、児童養護施設、老人ホー
ムなど)、工場あるいは病院、寄宿舎、軍隊、刑務所などで一定の特定多数人のために食事を供す
ること、あるいはその食事そのものである。一般の飲食店のように不特定多数に食事を提供するも
のは「給食」ではないとされる。高齢化社会において高齢者へ給食センターを活用しながら、配達
から回収まで「給食」「配給」するという自治体も存在している。
給食は一般に、調理作業の能率化、調理場施設における衛生管理や栄養管理が行われている。その
反面、集団給食では献立を自由に選択することが難しくなるといった欠点もあり、嗜好調査などの
調査が実施されることがある。また、現在ではカフェテリア方式なども普及している。
「給食」という言葉の語源は、古代日本の律令制における高等教育・官人育成を目的とした大学寮
の設置に遡る。大学寮の学生は直曹と呼ばれる学舎兼学生寮に住むこととなっており、大学寮から
学生に対して給付した食事を給食と称した。
日本での給食(食事の提供)としては、歴史的には平城京での宮廷人に対するもの、東大寺大仏殿
建立の際の人夫への給食、鎌倉時代の僧院におけるもの(道元『典座教訓』『赴粥飯法』)、江戸
時代の小石川養生所での貧困患者に対して行われたものなどについて記録がある。ただ、組織的に
行われた給食は明治時代の紡績工場や軍隊での給食からであるといわれ、1872年(明治5年)に官
営富岡製糸場において給食が導入された。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』