2019年刑法各論課題1

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    1.人はいつまで「人か」、人の終期の問題
    人の終期は、死亡である。「人」は死亡により、生命を失い、その身体も「死体」となる。
    それゆえ、人の終期をどの時点にするかは、殺人罪(刑法199条)や傷害罪(刑法204条)など「生命・身体に対する罪」と死体を客体とする「死体損壊等の罪」(刑法190条)となり、被告人の刑事責任に大きな影響を及ぼすため、両者の区別は非常に重要なものとなる。
    2.三徴候説
    人の死や死亡時期については、法律上の重要な概念であるにもかかわらず、明確な定義は存在しない。
    従来の通説的見解は、①呼吸の停止、②脈拍の停止、③瞳孔反射機能の停止の3点により総合的に死を判定する三徴候説(総合判断説)を採用されてきた。
    また、唯一、「死亡の届け出に関する規程」第2条において、死産の定義を「死産とは妊娠第四月以後における死児の出産をいひ、死児とは出産後において心臓膊動、随意筋の運動及び呼吸のいづれをも認めないものをいふ」と規定していることから、三徴候説(総合判断説)を基礎としていると解されている。
    また、判例においては、札幌高判昭和32年3月23日高刑集10巻2号197頁や広島高判昭和...

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