講評:青年期のそれぞれのフェーズで起こりうる典型的な葛藤例について細かく描写されています。適切な内容で書かれています。
平成29年・30年度課題 青年期に抱える葛藤について論じなさい。(かならずキーワードを含めること。)
<キーワード> 第二次性徴、対人関係、モラトリアム
<ポイント> まず青年期の定義を明確にし、その時期に起こる身体的、心理的変化を述べること。そして、そうした変化と絡めて青年期特有の心理的問題を論じること。
教材:教職を目指す人のための教育心理学 藤田主一、楠本恭久編著 福村出版 2008年初版
丸写しではなく、参考としてお役立てください。
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〇青年期とは身体的、精神的に成熟が急速に
進む時期であり、児童期と成人期に挟まれた
不安定な地位を指す。大人の世界へ移行する
変化の途上の時期だ。自分がどんな人生を送
り、何をやりたいかという自我同一性を確立
し、社会的役割を獲得して大人になる迄の間、
自我や知性、感情、社会性といった精神的な
発達を養う長い期間である。この時期はモラ
トリアムとして社会的責任や義務は免除され
る。レヴィンは青年期をマージナル・マン、
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ルソーは第二の誕生と表現する。否定と肯定、
動揺と安寧が交錯し、精神的動揺が激しく傷
つきやすい時代である。その内的葛藤が青年
期である。この時期は性ホルモン(アンドロ
ジェン、エストロジェン)の分泌によって性
差が顕著になり、性的機能が成熟する。これ
を第二次性徴と呼び、女子は11~12歳こ
ろから身体の豊満、乳房の発育、骨盤の肥大、
皮下脂肪の増加、初潮が始まる。男子は12
~13歳頃から精通、咽頭の隆起、声変わり
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が現れるようになる。第二次性徴は女子の方
がやや早く現れ、...