このレポートは、玉川大学通信教育課程・科目「生徒・進路指導の理論と方法(小)」において、すでに合格をいただいたものです。
2018年度課題:生徒指導上の諸問題と生徒理解
教員による評価・批評は以下の通りです。
<評価>
A
<批評>
ユニークな視点の引用が効果的なレポート。自分の体験も、自らつながりをつくる試みを提案しており、説得力ある。参考文献も充実しており、それを効果的に引用して説得力を高めている。
【玉川大学】生徒・進路指導の理論と方法小
いじめが深刻化する背景・要因をみていく。
その一つとして傍観者の存在を挙げる。加害者は第三者である傍観者に自分の力をアピールし、
注目される快感を覚える。いじめが定着するのは、その現場を見せつけたい傍観者がいるからであ
る。それゆえ、見て見ぬふりをしている傍観者は、いじめを容認し手を貸していることになるので
ある。
このことは調査からも明らかにされている。「傍観者が集団内である割合以上になると、はっきり
と『いじめ』とわかる関係」¹が成立するのである。割のクラスメイトが加害者に冷たい視線を向
ければいじめはなくなり、容認派がクラス全体の割ほどいると、いじめは歯止めがきかなくなっ
てエスカレートする。
なぜ傍観者といわれるような、いじめられているクラスメイトや仲間のことに無関心な子どもが
多いのかについて考えたい。
第一に、子どもたちの行動は個人化・自閉化の傾向にある。その傾向とは、家族や仲間といった社
会集団の基礎単位におけるかかわりすらも減らし、その場で生じる集団内の役割や責任を放棄し、
個人内で個別的な範囲内のみで生きようとすることで...