1.行政行為の意義
国、地方公共団体、及びその他の行政主体が行う行政の活動には様々なものがあるが、大きくはその権力を行使し命令的・強制的に行う権力的活動と、当事者間の対等・平等を本質とする非権力的活動とに分けることが出来る。前者を特に行政行為と呼び、その他の契約による行為や法的効力のない行為(事実行為)などから区別する。行政庁が、①公権力の行使として一方的にする、②外部に向けた、③法律関係を直接に変動させる、④個別・具体的な行為を指すが、行政行為とは法令用語にはなく、研究上などで抽象概念を表すための用語である。
行政行為に似た言葉に行政処分があるが、行政不服審査法でいう処分には、行政行為に該当しない行政計画の決定、行政指導、条例の制定なども含まれるため、その意味に多少の違いがあることに注意が必要である。判例は行政処分について、国または公共団体が行う行為により、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められたものを指すとしている(最判昭和39年10月29日民集18巻8号1809頁)。
2.行政行為の効力
行政法を特徴づける効力には以下の5つが挙げられ...