資料紹介

資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

１．現代先進諸国の租税・社会保障負担の水準と構造
　デンマークの社会政策学者アンデルセンは、福祉レジームの相違が、福祉国家の類型を決定すると考えた。福祉レジームには3つの類型がある。
①自由主義レジーム。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどのアングロ・サクソン諸国に見られる。個人の責任によるリスク管理と市場中心の問題解決、「小さな政府」を志向する。全体的に社会保障給付は抑制的であり、低所得層に限定したターゲット主義福祉給付が重視される。政府の直接支出を伴わない民間保険、減税による社会保障が活用される。
②社会民主主義レジーム。スウェーデン、デンマークなどの北欧諸国に見られる。普遍主義、リスクの包括的な社会化を志向する。所得の高低に関わらず、みなが同じ権利をもち、同じ給付を受けるという理念のもと、国家が中心的役割を担う。家族や市場が福祉に果たす役割は小さく、生活上のリスクを社会的制度で広くカバーする。社会保障給付の水準も負担の水準も高い、高福祉・高負担となる。現金よりもサービスの現物給付が多い。
③保守主義レジーム。ドイツ、フランスなどの大陸ヨーロッパ諸国などに見られる。リスクの共同負担...

コメント0件