日本大学通信教育部
2019~2022年度 リポート課題集
教材の「宗教の定義」(p.1)から「文化現象としての宗教」(p.4)までを読み,その要点を項目別に分けて論じなさい。
本レポートは、岸本英夫著「世界の宗教」を参考に、宗教の定義、宗教現象、
宗教体験についてまとめたものである。
最初に、宗教とは何か。その定義の仕方には、幾つかの方法がある。
一つは、「宗教とは神と人との関係である」とするもので、主にキリスト教を中
心とするヨーロッパで認識されていた類型である。例えば、ドイツの神学者シュ
ライエルマッハーは「宗教とは絶対依存の感情であって、神、すなわち、無限に
対するあこがれである」と定義づける。しかし、仏教のように神観念のない宗教
もあるため、宗教は何たるかを定義づける上ではこれでは不十分であろう。
一方、ドイツの宗教学者 R・オットーは、その宗教体験を通して「神々しさ」
「畏敬の情」「清らかさ」など情緒的経験を得るこど宗教の特質とした。たしか
にこれらは宗教体験を通して得られるものであるが、すべての宗教で常に経験す
るとは限らない。これらの情緒的経験をは、宗教の定義というより、宗教体験を
通しての効能というふうに近いであろう。
以上の二つは「神」視点から宗教を定義づけるものであったが、第三の定義は
人間生活を中心として宗教を捉えようというもの...