中学校において教員(教師)が行う教育相談の意義と限界について説明してください。
中学校において、教員が行う教育相談の意義は、大きく二つあると考える。
一つ目は「学校での問題事象は、教師が早期発見・対応ができる」ということである。テキスト第13章P215~216には、各学校においてアンケートや面談などによって初期段階でいじめの認知件数は、小学校は31万7121件(76.5%)、中学校は8万424件(19.4%)となっており、中学校は小学校に比べて低い。しかし、いじめられた児童生徒が誰に相談したかについては、学級担任(79.5%)が圧倒的に多く、担任以外の教師、養護教諭、SCなどの相談員といった学校関係者を含めると、計92.1%にのぼり、保護者や家族(22.1%)に比べると圧倒的に高い。特に学級担任は毎日朝から夕方まで顔を合わせ関わり合いながら教育活動を行っている。私も小学校の学級担任として16年間勤務してきたが、登校した時の表情や声だけでも、「今日はいつもと違うな」「何かあったのかな」と気付くことがあった。カウンセリングマインドを持って児童に声をかけると、友だちや家庭でのトラブルを話...