A評価でした。丸写しではなく、参考にしていただければ幸いです。
M5107日本文学概論
科目最終試験 書誌学について
書誌学とは、辞書の定義によれば「図書を研究対象として、分類・解題・鑑定などを科学的に行う学問¹」とある。ただし、ここでいう書誌には、図書館の目録や索引のような図書を見つけ出すためのものも含まれており、これらを「列挙書誌」「体系書誌」として区別して呼んでいる。これに対して、学問としての書誌学は「分析書誌」「史的書誌」と呼ばれている。すなわち、特定の書物の紙や筆の材質といった分析や、また使用用途、作られた時代背景といった歴史といった様々な事実関係を明らかにしようとする学問である。ここでは、この書誌学の文学研究における作業について具体的に見ていくこととし、その研究範囲については、教科書(坂井(2023))に取り上げられている藤井隆氏の「日本古典書誌学総説」による日本古典書誌学の研究範囲²に沿って触れていく。
まず、①書籍の材料、装訂、付属品等に関する研究とその歴史的変遷に関する研究である。これには、例えば記録媒体としての和紙の登場は、610年に高麗の僧侶曇徴により伝えられたとされるが、その和紙の材料として、麻紙、楮紙、雁皮紙、三椏紙が...