佛教大学通信の宗教文化2024年度の最終科目試験に合格(88点)したレポートです。限られた試験時間ですので、参考にしていただき、有効活用いただければと思います。
■浄土信仰の特徴と文化について事例をあげて述べなさい
参考文献:尾藤正英著 2017年11月『日本文化の歴史』
1.浄土信仰について
鎌倉時代を中心に、多くのすぐれた僧が現れ、それぞれ独創的な教義の体系と、その実践の方法とを確立し、その後の時代に大きな影響を与えた「鎌倉仏教」が誕生した。その鎌倉仏教の中で、浄土信仰(浄土教)の代表的な仏教に法然・親鸞らが説いた仏教が挙げられる。浄土信仰は、阿弥陀仏を信仰することにより極楽浄土に生まれ変わろうとする考え方であり、インドにおける大乗仏教の中で生まれ、中国で六世紀ごろから発展していた。これらは中国の北魏・隋・唐の時代のものであり、その著書は早くから日本にも伝えられ、最澄の仏教の中にも浄土教の要素が含まれていた。平安仏教は最澄・空海によって「実践の仏教」として広められていったが、修行の難しさもあり、まだ広く一般まで仏教が浸透していく時代ではなかった。反面、鎌倉仏教の時代は、仏教は様々な階層や地域の人々によって自分の信仰として受けとめられ、人々が仏教によって救われたいと願うようになり、仏教によって個人の意識が登場し社会全体に拡大していった時...