私はフリーターと一言で言っても人によって千差万別だと思っている。就職できずにやむを得ずフリーターをしている人。ひとつの会社に縛られたくない人。自分に向いた職業がわからずさまよっている人。夢(俳優、医者、弁護士…)を目指して、それまでの収入源としてバイトをしている人。本当に様々だ。私の周りにも様々な理由でフリーターをしている人がいる。その人たちの話、未来への展望を聞く限り、みなきちんと自分の意思と将来へのプランを持ってフリーターをしている。私はフリーターが情けなく駄目な存在だとは思えない。少なくとも私の周りにいるフリーターは、尊敬に値するような人間ばかりなのだ。ただし世の中には「これだから最近の若者は…」と言いたくなってしまうような考えでフリーターをしている人も少なくないのかもしれない。これらの人々をフリーターというひとつの言葉でまとめ、ひとつの見方で見るということがそもそも無謀なのではないだろうか。アルバイトが必ずしも社員より楽なわけではないし、フリーターは社員より駄目な存在だという決め付けは間違っている。フリーターであろうが正社員であろうが、自分の言動と自分の人生に責任をもたなくてはならない。
昨今の不況の影響を受け、新規採用の枠はどんどん減り、特に高卒者の就職率は深刻な状況である。その一方で、就職後3年以内に仕事をやめる人のパーセンテージは中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割とかなり高い。巷ではこの人たちのことを「7・5・3」と呼ぶらしい。又、いわゆるフリーターと呼ばれる人たちの数はものすごい勢いで増えている。講義の中で先生がおっしゃっていたように、今、世の中には「正規採用はこそが正しい」という見方が強くある。だから、それと対立する関係にあるフリーターは駄目なものであって社会的病理だと認識されがちなのだ。しかし、この認識は本当に正しいのだろうか。フリーターであることはそんなにも非難されなくてはならないことなのだろうか。
そもそもフリーターとはフリーアルバイターの略称であり、労働白書では①年齢は15歳から34歳。②パートやアルバイトで働くもので、男性は継続就業年数5年未満。女性は未婚者。③現在は無職だがパートやアルバイトを希望しているもの、と定義している。この文章自体にはフリーター=駄目な存在だという意識はないように思われる。であるとすれば、やはり無意識にはびこる「正規採用...